隣の芝生は青い
自分にも同じものがあるのに、なぜかリヤンはソルのものを、ソルはリヤンのものを欲しがる。
リヤンが、かじっていた鹿の角。
ポロッとソファから落ちた。
本当なら、すぐにでも欲しいソルだが…
リヤンも渡す気はない。
でも、すぐに拾おうとはせず、ソルに無言の圧力をかける。
「取る気か?」
顔をそらして、様子を伺うソル。
ソルに、渡す気がないリヤン。
それでも、やっぱり欲しいソル。
一本の鹿の角を前に、硬直状態。
そんな状態が続いていると…
2匹の放つ空気など、読まないお姉ちゃんが乱入。
「これ、欲しいの?」
両方が、それを欲しがってるんだよ!
手にしたのは、リヤンでもなくソルでもない。
娘。
しかーし、その娘が…
なんと、またもや2匹の間に鹿の角を置き、
「待て!」
と指示をしたので、待つ2匹。
「よしっ!」
娘の指示で、手にしたのは…
そりゃー、リヤンだよね。
リヤンの許しが出るまでは、我慢しなくてはいけないことを、わかっているソル。
側で見るだけ。
「あっ!また落ちそうだけど、我慢。我慢。」
今度はリヤンも、落としません。
リヤンの許しが出てから、ソルもちゃんと、この鹿の角をかじることができました。
この2匹は、いつも「隣の芝生は青い」ようです。